ニキビ治療は保険適用される?皮膚科でできる治療と保険外治療の違い
ニキビができたとき、「皮膚科に行けば保険で治療できるの?」「美容皮膚科じゃないとダメ?」と迷ったことはありませんか。 実はニキビ治療には、保険が使える治療と保険が使えない治療があり、症状や状態によって選び方が変わります。 このコラムでは、ニキビができる原因や種類をわかりやすく整理しながら、 保険診療でできる治療内容・処方されるお薬、保険が適用されないケースについて丁寧に解説します。 「まずは何から始めればいいのか分からない」という方にも、参考にしていただける内容です。 ニキビ治療を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ニキビができる原因
ニキビは、肌表面だけの問題ではなく、皮脂分泌・毛穴の状態・菌の増殖・体の内側の変化など、複数の要因が重なって起こります。
原因を正しく理解することで、「なぜ治らないのか」「どんな治療が必要なのか」が見えてきます。
皮脂分泌と毛穴詰まり
ニキビの最初のきっかけは、皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まりです。
皮脂が多く分泌されると、古い角質と混ざり合い、毛穴の出口を塞いでしまいます。
この状態を「角栓」といい、ニキビの土台となります。
特に、
- 思春期
- ストレスが多い時期
- 睡眠不足や食生活の乱れ
などは皮脂分泌が増えやすく、ニキビができやすい状態になります。
アクネ菌の増殖
毛穴が詰まると、中は酸素が少ない環境になります。この状態を好むのが「アクネ菌」です。
アクネ菌自体は、もともと誰の肌にも存在する常在菌ですが、毛穴の中で増えすぎると炎症を起こし、赤ニキビや膿を伴うニキビへと進行します。
ホルモンバランス・生活習慣の影響
皮脂分泌や肌のターンオーバーは、ホルモンバランスや生活習慣の影響を強く受けます。
特に以下のような要因は、大人ニキビの原因になりやすいです。
- ストレス
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
- 月経周期や妊娠・出産
- 喫煙・過度な飲酒
これらが重なると、肌の回復力が低下し、ニキビが繰り返しやすくなります。
ニキビの種類と進行段階
ニキビは、できたばかりの軽い状態から、炎症を起こした重い状態までいくつかの段階があります。
この進行度によって、適した治療法や保険適用の可否も変わってきます。
皮膚科で保険適用されるニキビ治療
ニキビは「皮膚の病気」として扱われるため、多くの場合は健康保険を使って治療を受けることができます。
多くの患者様が、SNS・情報紙などを見て、市販の化粧品やドラッグストア、インターネットで購入できる治療薬などをお求めですが、実はお金をかけなくても、保険診療の範囲で十分な治療が可能です。
特に、炎症を起こしているニキビや繰り返すニキビは、保険診療の対象になります。
保険で処方される薬の種類
ニキビ治療の基本となるのが外用薬です。ニキビの進行段階や肌質に合わせて処方されます。
ディフェリンゲル(アダパレン)
毛穴の詰まりを防ぎ、新しいニキビができにくい肌環境を整える薬です。白ニキビや黒ニキビなど、初期段階のニキビに効果が期待できます。
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)
アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮める作用があります。赤ニキビなど、炎症を伴うニキビにもよく使われます。
デュアック配合ゲル
抗菌薬とベピオゲルを組み合わせた外用薬で、炎症ニキビに対してより高い効果が期待できます。
ダラシン
リンコマイシン系抗生物質で、感染症の原因となるグラム陽性球菌(ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌など)に対して殺菌作用を示します。
エピデュオ(過酸化ベンゾイル+アダパレン)
過酸化ベンゾイルとアダパレンという2つの有効成分を配合したお薬です。 ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌し、毛穴のつまりを改善します。
※これらの薬は使い始めに赤み・ヒリヒリ感・皮むけが出ることがありますが、多くは徐々に落ち着きます。
保険治療の特徴
メリット
- 費用負担が少ない
- 科学的根拠のある治療が受けられる
- 炎症ニキビには高い効果が期待できる
注意点
- 効果が出るまでに数週間~数か月かかる
- ニキビ跡や毛穴の改善は対象外
- 美白・肌質改善などの美容目的の治療はできない
まずは保険治療から始めるのがおすすめ
多くのニキビは、保険診療の治療だけでも十分に改善が期待できます。
特に、できたばかりのニキビや炎症が強い場合は、早めの治療が悪化やニキビ跡の予防につながります。
「どの治療が自分に合うかわからない」という場合でも、まずは皮膚科で相談し、保険治療からスタートするのが安心です。
保険が適用されないニキビ治療とは
ニキビは皮膚の病気として保険診療の対象になりますが、すべての治療が保険適用になるわけではありません。
健康保険が使えるのは「病気を治すこと」が目的の治療に限られます。
そのため、
- 見た目をきれいにしたい
- 肌質を改善したい
- ニキビ跡を目立たなくしたい
といった美容目的の治療は保険の対象外(自由診療)となります。
美容目的と判断される治療
炎症が治まった後の赤みや色素沈着、クレーター状のニキビ跡は、医学的には「病気の治療」ではなく「整容(美容)目的」と判断されるため、保険は適用されません。
また、軽度のニキビであっても、
- より早く治したい
- 保険診療の薬だけでは改善しない
- 肌全体の状態(明るさ・くすみ・ツヤなど)も整えたい
といった場合に行う治療は、自由診療となることが一般的です。
ニキビ跡の治療は原則として保険外
ニキビ跡には、
- 赤み
- 茶色い色素沈着
- 陥凹(クレーター)

このようにさまざまな種類がありますが、これらはいずれも保険診療では改善が難しく、美容皮膚科での治療が必要になるケースがほとんどです。
主な保険外治療の例
以下のような治療は、すべて自由診療となります。
ケミカルピーリング
古い角質や毛穴の詰まりを取り除き、新しいニキビができにくい肌環境へ整える治療です。
IPL・レーザー治療
赤みや色素沈着、ニキビ跡の改善を目的とした光・レーザー治療です。
美容成分の導入治療
ビタミンCや抗炎症成分、保湿成分などを肌の奥へ届け、回復を促します。
内服薬・点滴療法(美容目的)
ビタミン剤や抗酸化成分を補い、肌の内側からニキビの再発を防ぐ目的で行います。
保険治療と保険外治療は「使い分け」が大切
保険外治療は費用がかかる一方で、
- 治りにくいニキビ
- 繰り返す炎症
- ニキビ跡
に対して、より高い効果が期待できる場合もあります。
そのため、
まずは保険治療で炎症を抑え、必要に応じて美容皮膚科の治療を組み合わせる
という考え方が、無理のない治療方法といえるでしょう。
まとめ|ニキビ治療は自己判断せず、まずは医師に相談を
ニキビ治療には、保険が適用される治療と自由診療となる治療があり、症状の段階や状態によって選択肢は変わります。
多くのニキビは保険診療だけでも改善が期待できますが、炎症が長引いていたり、ニキビ跡になっている場合は、美容皮膚科での治療が適しているケースもあります。
ただし、
「これはニキビ跡だから保険がきかないかも…」
「美容皮膚科じゃないとダメかな…」
と自己判断してしまうと、本来は保険で治療できた症状を放置してしまったり、悪化させてしまう可能性もあります。
ニキビなのか、ニキビ跡なのか、どの治療が適しているのかは、見た目だけでは判断が難しいことも多いため、まずは医師の診察を受けて正確に診断してもらうことが大切です。
早めに適切な治療を始めることで、症状の悪化やニキビ跡を防ぐことにもつながります。
ニキビで悩んでいる方は、一人で抱え込まず、ぜひ一度医療機関へ相談してみてください。
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