【医師監修】脂肪冷却vs脂肪吸引・安全性と効果を徹底比較!
現代の美容医療において注目されている脂肪冷却と脂肪吸引について、医師監修のもとで徹底的に比較。 医師の専門的な視点から信頼性の高い情報で、安全性、効果、および費用に関する具体的な情報で、最適なダイエット方法を選ぶ際の参考となる内容をお届けいたします。
脂肪を減らすなら「脂肪吸引」と「脂肪冷却」どっちが良い?
脂肪を減らすための施術として、「脂肪吸引」と「脂肪冷却」はどちらも人気があります。しかし、それぞれ異なる特徴を持っているため、一概に「どちらが良い」とは言えません。
脂肪吸引
直接脂肪細胞を吸引して除去する施術です。1回の施術で効果を実感しやすい点が大きな魅力ですが、その分ダウンタイムが長めになる傾向があります。短期間で大幅なボディラインの変化を求める方に適した方法です。
脂肪冷却
一方、脂肪冷却は、脂肪を冷却して自然に排出させるため、体への負担が少なく、メスや注射を使わずに部分痩せを目指せます。ダウンタイムの少なさを重視する方におすすめです。
どちらの施術もメリット・デメリットがあり、最適な選択肢はお悩みや目的によって異なります。それぞれの施術について詳しく解説するので、ご自身に合った方法を見つけてみましょう。
脂肪吸引と脂肪冷却の仕組み
脂肪吸引と脂肪冷却は医療痩身の中でも特に人気な施術ですがその目的・効果・費用においていくつか違いがあります。具体的な施術方法や目的、そしてそれぞれの基本的な違いについて詳しく解説していきます。
脂肪吸引の仕組み
脂肪吸引は、カニューレ(細い管)を用いて体内の皮下脂肪を直接吸引する施術です。脂肪細胞の数自体を減らすことができるため、リバウンドしにくいのが特徴です。
- 麻酔を施す(局所麻酔または全身麻酔)
- カニューレを挿入し、脂肪を吸引
- 体内に残った脂肪層を均一になじませ、仕上がりを整える
- 回復とともにボディラインが引き締まる
施術後はダウンタイムがあり、腫れや内出血が出ます。しかし1回の施術でしっかりと脂肪を除去できるため、即効性が高いのが最大のメリットです。
ただし、脂肪は筋肉などの他組織に比べて軽いため、脂肪吸引後の体重減少はわずかです。一般的に1回の脂肪吸引で取り除ける脂肪は、体重の3〜5%程度と言われています。例えば体重が100kgの方の場合、1回の施術での体重減少は3〜5kg程度です。
脂肪吸引のダウンタイム
上記にもある通り、脂肪吸引のダウンタイムは比較的長く1〜4週間程度です。
- 痛み:1〜2週間程度
- むくみ:2〜4週間程度
- 腫れ:1週間程度
- 内出血:2〜3週間程度
- 拘縮(こうしゅく):2〜6カ月程度
施術直後に現れる症状は、痛み・むくみ・腫れ・内出血です。脂肪吸引でよく見られる拘縮は、施術から1〜3週間程度後に現れます。拘縮とは物理的に脂肪を取り除いたことで皮下にできた空洞を埋めるため周辺組織が癒着することです。まれに肌に凸凹が現れることもありますが、2〜6ヶ月程度で滑らかになっていきます。
脂肪吸引の安全性と効果
脂肪吸引はその即効性と引き換えに、傷跡が残ってしまったり、執刀医の技量に依存する部分が多いため、失敗すると表面に凹凸ができる・左右非対称になる・取り残しにより変化があらわれない、などのリスクが伴います。
重篤な副作用としては、感染症や血栓、カニューレによる腹膜や内臓の損傷、合併症などもあり、国内でも死亡事故が発生しています。
脂肪吸引をご検討中の方は、必ずリスクについてきちんと理解した上で、それでも受ける場合には信頼できるクリニックで施術を受けるようにしてください。
参考:ブラジルの顎下脂肪吸引術に伴う合併症の症例
かかる費用
脂肪吸引の費用は、施術部位や使用する技術によって大きく異なります。
例えばですが、
- 二の腕/15万円〜30万円
- 腹部/30万円〜60万円
- 太もも全体/50万円〜80万円
- おしり/30万〜50万円
が相場となっています。また麻酔費用が5万円〜10万円程度、施術後に必要な圧着ガードルが1万円〜3万円程度と、その他の費用も大きく関わってきます。
また、レーザー脂肪吸引や超音波脂肪吸引など、使用する技術の種類も費用に影響を与える要因となります。さらに、クリニックの所在地や施術の範囲によっても価格が異なるため、事前にしっかりと確認することが重要です。
しかし総額が高くとも費用対効果について考えると、脂肪吸引は即効性が高く、長期間にわたって効果が持続するため、長期的な視点で見た場合にコストパフォーマンスに優れる選択肢となります。しかし、個々の体質や施術内容によって効果の実感や持続期間が異なるため、十分なカウンセリングを受けて自分に最適なプランを選ぶことが重要です。
脂肪吸引のメリットとデメリット
- 効果が出やすい
- 短期間で痩せられる
- 食事制限やきつい運動なし
- ダウンタイムが長い
- 比較的費用が高額
- 副作用やリスクが多い
- 施術から一週間は圧迫ガードルを着用する
- 医師選びが重要
- 施術後にまとまった休みが必要
このようにメリットもデメリットもどちらもあるため、自身の目的によってしっかり説明を受けたうえで、医師選びを慎重に行い、信頼して任せられる医師に依頼することが大切です。
参考:京都大学大学院 人間・環境学研究科. 「健康科学講義 Ⅱ 肥満の健康科学」
脂肪冷却の仕組み
脂肪冷却は、脂肪細胞を凍結して除去する非侵襲的な医療ダイエット施術の一種です。この施術では、特定の施術部位の脂肪細胞を約4℃にまで冷却し、脂肪細胞の自然死を促します。凍結された脂肪細胞は体内の免疫細胞によって処理・排出され、結果として部分的な脂肪減少が実現します。
- 凍傷を防止するシートを装着する
- 脂肪冷却機で脂肪を吸引していく
- 専用のアプリケータで4℃前後にまで冷却し脂肪細胞を破壊する
- 約1ヶ月ほどで死滅した脂肪細胞が排出される
2008年にアメリカで誕生した痩身術で、現在までに世界80カ国以上で行われている施術です。アメリカの厚生労働省に当たるFDA(米国食品医薬品局)から全身9箇所の脂肪除去に効果があるとして承認を受けており、日本でも2017年に厚生労働省に承認を受けています。
脂肪冷却は外科的な手術を伴わないため、傷跡や長期の回復期間を必要とせず、安全性が高い点が特徴です。また、この施術は部分痩せを目的としており、腹部や太もも、二の腕など、特定の部位に集中的に効果を発揮します。
参考:厚生労働省. 「2017年12月6日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録」
参考:冷却脂肪融解術(cryolipolysis)による躯幹の痩身治療について脂肪冷却のさらに詳しい解説はこちら
脂肪冷却のダウンタイム
上記にもある通り、脂肪冷却は脂肪吸引に比べてダウンタイムが比較的短く、人によっては軽度な凍傷・腫れ・赤み・内出血・知覚鈍麻・発疹・かぶれなどの反応が見られるケースもあります。どれもあくまで一時的な症状で、1〜4週間程度で落ち着くことが多いです。
脂肪吸引の安全性と効果
脂肪冷却は、安全性と効果の高さで多くの方に選ばれている医療ダイエット方法です。脂肪冷却融解理論を基に開発され、米国FDA(米国食品医薬品局)によって安全性と有効性が認められています。
脂肪細胞を4℃程度に凍結することで行われます。この冷却プロセスにより、脂肪細胞が自然に死滅し、その後、免疫細胞によってこれらの細胞が処理されます。脂肪細胞が選択的に標的とされるため、周囲の組織にはほとんど影響を与えず、安全性が高いのが特徴です。
施術中には、特定の部位に冷却装置が当てられ、脂肪細胞を徹底的に冷やします。この冷却により、脂肪細胞膜が破壊され、細胞が破裂します。施術後、破壊された脂肪細胞は体の自然な代謝プロセスによって徐々に排出され、時間をかけて体型が改善されます。施術後には一時的に赤みやしこりが生じることがありますが、数日から数週間で自然に回復します。
危険性の評価
脂肪冷却には、一般的な副作用として、施術部位の赤み、内出血、感覚異常、痛み、しこりなどが挙げられます。これらの副作用は通常、一時的であり、数日から数週間で自然に回復します。
重大なリスクとして、逆説的過形成が報告されていますが、その発生率は0.033%と非常に低く、脂肪冷却自体の安全性は高いとされています。統計データによると、重大な副作用の発生は極めて稀であり、脂肪冷却を選択する際のリスクは最小限に抑えられています。
脂肪吸引のメリットとデメリット
- 一回の価格は比較的安い
- リバウンドしない
- 食事制限や運動は不要
- ダウンタイムはほぼない
- 麻酔などは使わず30分〜50分で終わる
- 脂肪が排出されるまで数週間〜数ヶ月かかる
- 数回通う必要がある
一ヶ月ほどかけて死滅した脂肪細胞を排出するため即効性はありませんが、リスク・副作用が少なく気軽に医療ダイエットを試したい人におすすめです。
また医師の技術力にそこまで左右されないため、お通いのクリニックのメニューを見て検討してください。
脂肪吸引と脂肪冷却の比較まとめ
脂肪冷却も脂肪吸引も「内臓脂肪」には効果なし!?
痩身施術にはさまざまな方法がありますが、「脂肪冷却」や「脂肪吸引」はどちらも内臓脂肪を減らすことはできません。
なぜなら、これらの施術は皮下脂肪をターゲットにしているためです。
脂肪冷却は、皮下脂肪を冷却し、自然に体外へ排出することでサイズダウンを目指す施術。一方、脂肪吸引は、皮下脂肪を直接取り除く方法です。どちらも、内臓脂肪がついているお腹の奥深くにはアプローチできません。
では、内臓脂肪を減らすにはどうすればいいのか?
答えはシンプルで、「食事管理」と「運動」です。特に、糖質や脂質の摂取を見直し、有酸素運動を取り入れることで、内臓脂肪は燃焼しやすくなります。
脂肪冷却や脂肪吸引は、皮下脂肪にアプローチしたい方におすすめの施術。「内臓脂肪を減らしたい!」という方は、生活習慣の改善がカギになります。
医療ダイエットを安全に行うために
医療ダイエットを安全に行うためには、信頼できるクリニックの選定や適切な施術内容の確認が不可欠です。安全性を確保し、効果を最大限に引き出すための基本的なポイントを理解しておくことが重要です。クリニック選びのポイントや医療機器の偽造品に対する注意点について詳しく解説します。また、痩身エステとの違いを比較し、信頼性の高い施術を選ぶための具体的なアドバイスを提供します。
クリニック選びのポイント
医療ダイエットを安全かつ効果的に行うためには、信頼性の高いクリニック選びが欠かせません。こクリニックの信頼性、医師の資格や経験、施術実績など、選ぶ際に重視すべきポイントについて詳しく紹介します。
医療機器の偽造品に注意
医療機器の偽造品は重大な健康被害を引き起こす可能性があり、特に脂肪冷却などの医療ダイエット施術においては注意が必要です。偽造品を使用した施術は、正規の医療機器と比べて安全性が保証されておらず、熱傷や組織損傷、さらには長期的な健康リスクを伴うことがあります。国外の事例ではありますが、偽造の脂肪冷却機器を使用した結果、患者が深刻な皮膚損傷を受けた事例があります。
安全な施術を受けるためには、公式な認証を受けた医療機器を使用している信頼性の高いクリニックを選ぶことが重要です。また、施術前にクリニックの設備や医師の資格、過去の実績を確認し、疑わしい点がないか十分にリサーチすることをお勧めします。
痩身エステとの比較
医療ダイエットと痩身エステでは、施術方法や目的、安全性、費用面などにおいていくつかの重要な違いがあります。医療ダイエットは医師の監督のもとで行われるため、安全性が高く、個々の健康状態に応じたカスタマイズが可能です。また薬物療法でサポートすることもできるため、ダイエット内服や、GLP-1注射など、非常に選択肢が豊富と言えます。
一方、痩身エステは主に美容目的で提供される非医療的な施術が中心となり、リラックス効果や美容効果を重視しています。また、効果の持続性に関しては、医療ダイエットは長期的な体重管理をサポートするプログラムが多いのに対し、エステの効果は一時的なものが多い傾向にあります。そのため、特別な日の前であったり、癒やし目的で通う方も多いです。
さらに、費用面では、医療ダイエットは高度な医療設備と専門知識を必要とするため、一般的に費用が高額になる一方で、痩身エステは比較的手頃な価格で利用できることが多いです。これらの違いを理解することで、自身の目的や予算に合わせて最適な選択をすることができます。
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